2014年10月01日

突発脚本・孤独の便所飯(深海)

――仙台駅・構内にて

「ありがとうございましたー、お弁当温めますか?」
「ああ、はい……お願いします」
 出張で来たこの町とも、今日でお別れか……。復興盛んな杜の都、皆悲壮感に浸ることなく活気づいている……。
 軽い音を立てて、店員に頼んだ弁当は早急に温められた。
「はい、お待たせいたしました。お気をつけてお持ちくださーい」
「ありがとう」
 店員に軽く礼を告げ、俺はニューデイズを後にする。
 さて……。新幹線まで時間はある。その前に……俺の胃袋が、全力で絶叫しているのを鎮めないとな。
 休憩用の席は空いているだろうか……おぉ、どうやらこんなご帰宅ラッシュタイムでは、みんな座ってくつろぎたいんだな。そうさ、俺もだよ。畜生……譲り合いの精神っていうのが行方不明だ。
 あぁ……もう、腹が辛抱たまらんらしい。そして、ほっかほかに温まった弁当の香り……俺の胃袋に物理攻撃をかましてきやがる。どうする、俺……!?
 ……おっ、と。そんな俺でも、優しく出迎えてくれる座席っていうのがあるじゃないか。
 休憩用の椅子でも、ましてやベンチでもない。……そうさ、便所だ。
 便所……店員はいないから、かしこまる必要もない。料金だって払わなくていい。そもそも俺は、飯を食っているところを誰かに見られるという行為がたまらなく苦手だ……便所が居心地のいい個室レストランに早変わりっていうわけだ。おひとり様でよろしいですか? 構いません。それではご案内いたしまーす……おっと、今のはセルフプレイだ。ノリツッコミとでも、言えば良いだろうか?
 ……よし、運がいい。個室は空いている。俺は個室便所に滑り込むように入り、便座に腰掛ける。
 ……ああ、温かい。ふむ、便座を温める機能もついているということか……そうさ、そうだよ……。東北っていうのは、寒い。冬なんて耐えがたい寒さをじっとこらえることを強いられるんだ。便座くらい温かくたって、とがめられやしないんだよ……。むしろ、便座は無条件に冬でも温めてくれる。なんて慈悲深いんだ……。
 そして……クンクン、クンクン。おぉ。芳香剤にも手抜かりがないのか。いい……良いんだよ、この人工的でありながら、フローラルの優しさを容易に想像させてくれる香り……うむ、いかにもトイレの香りって感じのトイレの香りだ。クンクン。
 個室自体も……落ち着いたブラウンを基調としていて……実に、飯を食うには好環境じゃないか。ありがちな便所のように白を基調としていない辺り、便所らしさより落ち着く環境づくりにウェイトを置いてくれている……実に好感だ……。
 さて……落ち着いたところで、飯にしよう。バリバリ、パカッ。……うむ、程よくぬるくなった弁当。ニューデイズならどこにでもありそうな弁当……。そうだよ……それが良いんだよ……。駅弁みたいに下手に気取ったところも、飾り気もない素朴さ。いわば、弁当業界の幼馴染じゃないか……。
 こんなひたむきな据え膳、くわぬは武士の恥だ。幼馴染、いっただきまーす。
 モグ……ムシャ……。うん。適度に脂っこく、やたらと衣の厚いフライ……。意外にしっかりした味わいの米……。ああ……幼馴染の飯って感じだ……。俺に幼馴染の可愛い女の子なんかいないが……俺にとっての幼馴染のかわいらしさっていうのは、むしろこっちの方が落ち着くな……。
 煮つけもいい……。そっけない量ではあるけれど、落ち着く醤油の香りが食欲を煽って仕方ない……。
 ……おっと。フライのタルタルソースがついちまった。じゃあ、どうしようか……あちゃ〜、おしぼりを付け忘れているぞ、ニューデイズ店員。しかし、心配なんかいらない。なんせ、ここには無限ペーパーナプキン……トイレットペーパーがあるんだからな。ガラガラガラ。おぉ、シングルロールか。駅構内のトイレっていうのはどこもこうなんだな……。しかし、駅によって紙の会社も違う……。ふ〜ん、ここは芯のないタイプを使っているのか。実に……エコだ。
 おっと。俺の手がタルタル臭に侵される前に、ふき取ってやらないとな。ふきふき、ふきふき。ごみはどうしよう、と悩む必要もない。便器にぽいっと捨ててやれば、便器が優しく流してくれるんだから。何たる親切設計、水洗便所。俺の穢れさえ浄化してくれるのだから。
 さて、これもまた申し訳程度の漬物……あ〜、いい。業務的な酸っぱさがたまらないな……。
 ……さて。ここまで飯を胃袋に送ってやったのはいいが、そろそろのどが悲鳴を上げる頃合いだな……。よし。一緒に買ったウーロン茶、いってみますか。
 グビ、グビ。……ん? さっきまで気づかなかったが……弁当を片付け終わったせいか……? また、フローラルの香りが鼻をくすぐる……。芳香剤……。この人工的な香りが、安いウーロン茶のそっけない香りを彩り、フレーバーウーロンに変えてくれる……。なんたる親切設計……! まさに俺だけのティーサロンじゃないか……!
 ……ふう。飯を片付け終わったぞ。ウーロン茶の残りは……。まぁ、新幹線で飲もうか。その前に、このフローラルの香りを鼻腔に焼き付けておくか……。ん? 『消臭機能』……ほ〜ぅ、こんなものがあるのか。俺の食べた飯の匂いさえも、次に使う人に残さず空間のバトンタッチができるわけか。こいつやるな……。あとくされもないが、少しばかり……物悲しくもある。
 さて、紙を流して……この特別個室レストランともお別れだ。
 手を洗って……、幼馴染弁当こと、ニューデイズの弁当容器も捨てて、っと。
 おお、新幹線がもうすぐ来るではないか。急がないと。
 じゃあな、仙台。また……会える日まで。
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2013年09月16日

「白き鉄(かね)を鳴らして」 最終回 byこくまろ 特殊更新

現在、MGのサテライトキャノンは製造されていない。
弾の製造が国際法で禁止されているアトミックミサイルと異なり、
それは月さえ出ていれば衛星装置が月になくても、
何故か何度でも放てる上、HGですら驚異の破壊力を誇る。

HG至上主義を掲げる連中にとってそれはまさに、
MGに下克上を果たせる夢の産物だった。
だから、危険と知りながらも投棄されることはなかった。
今も、連邦の監視下の元、いつか現れる使い手を夢見て、
静かに眠っている。
永遠に眠らせておくべき悪魔なのだ。

だが今日この日、その揺りかごにオレンジの手が伸びた。

もうすぐ夕刻。既に雪はやみ、雲は去っている。
月は陽にも隠されず出ている。
万が一あれが敵の手に渡った場合、最悪、その時点で世界の勢力図が塗り替わる。
新たな波乱が生まれるだろう。
なんとしても阻止せねばならない。

俺がそいつに追いついたとき、
奴は定山渓の山奥にある倉庫を襲撃していた。
恐らく、此処に悪魔は眠っている。
この時点で、俺のザクのリミットオーバー状態の
タイムリミットは既に残り6分を切っていた。
これを過ぎるとどうなるのか、全くわからない。
つまり、制限時間は約5分と少し。

山の斜面に降り立った直後、ロックオン、2丁銃で牽制。
オレンジのグフは捜索の手を止める。
モノアイがこちらを向いた。うるさそうに、物理シールドを構えた。
しかし数度の弾を防いだところで、物理シールドが弾かれ、腕からおちた。

(グフの動きが鈍い・・・・・・!)

やはり不完全とはいえ、月光蝶の直撃をくらったのだ。
ただで済むはずがない。ならば、一気に畳み掛けるのみ。

俺は跳躍し、飛び蹴りを見舞った。
顔面にくらったグフはよろめき、しりもちをついた。
いけると確信する。今の奴の機動力は量産機に毛が生えた程度しかない。
距離を詰めて格闘に持ち込もうとする俺だったが、
グフは右手を前に突き出し、ウイップを伸ばしてきた!

咄嗟に避けきれず、俺は鞭に足を取られ、無様に転倒した。
山の斜面をごろごろと転がり、木々をなぎ倒してようやく止まる。
その横転により背中の翼に異常が発生、浮遊不可能と出た。
「もう飛ぶ必要はない・・・・・・!」
ためらわず、壊れた主翼を左右両方パージする。

そこへ、上空からグフがガトリングの雨を降らせてきた。
ザクのダブルシールドで防ぐも、威力は衰えておらず、左の腕が、
シールドごともっていかれる。俺のザクはたまらず片膝をついた。
ちぎられた白い腕が、足元にどさりと落下する。

目前にグフが着地する。俺はすかさず短銃を構える。
しかしそれより早い回し蹴りが右手に命中し、短銃を取り落としてしまう。
武器を失った俺の右手に、ガトリングの銃口が向けられた。

しかし、最後に残っていた切り札が、勝敗をわけた。
「最後に敵と認めてくれて・・・・・・ありがとよ。これは礼だ」
ザクの右掌が光った。
そこから発射されたパルマフィオキーナ掌部ビーム砲が、
グフのガトリングと、その左腕を粉々に粉砕した!
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無色透明のビーム砲がグフの左肩すらも溶かしたところで、
ぐらりと敵の機体が傾いた。
止めを・・・・・・と俺は息を吐いたが、ふ、とザクの動きが緩慢になる。
気づいた。制限時間を示すカウントダウンが、ストップしている事に。
故障ではなく、計測が終了している証。

俺のザクは、完全に動作を停止した。
だが敵はまだ動ける。勝負あったようだ。3度、俺は負けてしまった。

死を覚悟して目をつぶっていたが、何故か追撃はなかった。
それどころか、グフはよろめきながらも背を向け、大空へ飛び去っていく。

「・・・・・・おい、もしかして、引き分けたのか、俺は・・・・・・」
一騎打ちで、防衛目標を守りきったのだ。
勝利したと言ってもいいのではないだろうか。

いいや。俺は笑って首を横に振った。
此処まで奴を弱らせたからこそ勝てたことを忘れていた。
むしろむざむざ逃してしまったのでは、敗北に等しい。

俺はコックピットハッチを開けて外に出る。
山の夕暮れの寒々しい空気が、俺を包んだ。
基地の方からヘリの編隊が飛んでくる。全く、遅いぜ。

「でも、一矢は報いたんだ。ロマンは見せたぜ、少佐」

沈む夕日に向かって、一人、俺は満足に浸った。
白い俺のザクが、夕日を浴びて、あのグフのようにオレンジに染まっていた。

(了)
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「白き鉄(かね)を鳴らして」 後編 byこくまろ 特殊更新

俺が札幌の時計台付近上空に着いたときには、既に戦場は移動していた。
雪の降る都市の一角、そのビルの麓に、
無残に転がるMG(マスターグレード)の∞ジャスティスの姿があった。
雪を被って白く色づき始めている。胸部のコックピットはひしゃげていた。
俺はごくりと唾を飲んだ。
最高性能クラスのMGガンダムが敗北を喫している事実は、衝撃以外の何物でもなかった。

少佐の手により陸路を輸送された俺の新生ザクは、札幌の郊外に隠され、
奴が現れるのを待った。
そして今朝、傍受した通信により、札幌市の北より飛来する未確認機の存在を知った。
「味方のガンダムに撃たれるなよ」
ザクに乗り、飛翔する俺に、少佐はそう告げた。
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非正規任務による単独行動。
これではあのグフと変わらない。連邦のガンダムに銃を向けられても文句が言えない。
だが幸いガンダム共は基地防衛任務のため市から離れることはない。
だから、俺は真っ先に行動し、奴が札幌市に侵入する前に決着をつける事にした。

正直、気分はかなり高揚していた。
寄せ集めのパーツで組まれたとはいえ、性能が飛躍的に向上したこの白いザクなら、
引けを取らない勝負が出来るという自信があった。

しかし、埋めることができなかったのは、パイロットである俺の腕の差だった。

一撃必殺を目論見、海上に居る間に接近し、
飛来するオレンジのグフに、俺は真正面からジオン製ビームシザースで
切り込んだのだ。

すれ違うだけの刹那。一瞬の後、俺の鎌が消えた。
俺は確実に奴の胴体を薙いだはずだった。
ところが、真っ二つにされたのは、俺の鎌の方だった。
折れた鎌の片割れは、無情にも海に落下し、しぶきをあげて沈んだ。

奴は俺にそれ以上構わず、加速をつけて去っていった。
俺は言葉を失った。主兵装だけを無力化し、追撃を気にすることなく背を向け
戦地へ向かうグフ。俺は敵どころか障害とすらみなされなかったのだ。

その後、俺はキサネ少佐と連絡をとり、帰還する旨を伝えた。
絶望的な力量差で悲観にくれていた俺は、一度作戦を練り直そうと思ったからだ。

そうして帰路につき、小樽周辺にまで戻ってきたとき、緊急の通信が入った。
「札幌基地から応援要請だ。お前も登録しておいた。今すぐ市へ向かってくれ」

応援要請・・・・・・?
主兵装を失った今、行ってもガンダム達の足手まといになるのは容易に想像できた。
されど、続く少佐の言葉は寒冷地の吹雪よりも俺を凍りつかせた。

「ガンダムタイプが2機やられた。現在周辺の戦力をかき集めて、残るガンダム2機を
支援する方針に転換した。急げ、もうロマンどころではない・・・っ!」
唇を噛むような、震える声。俺は胸に痛みを覚えつつ言った。
「わかった。要請に応じる」

市民の避難は終わっているはずだったが、
シェルターから出てきた人々が目下にまばらに見えた。
先ほど時計台の傍で見た∞ジャスティスに続き、テレビ塔の鉄骨に絡まるようにして
潰されているのは、MGのHi−νガンダムだ。こちらも、もう微動だにしない。
英雄と呼ばれたガンダム達の死骸を、市民たちは驚愕の目で見つめ続けていた。
とはいえ、俺もそれらを眺めているわけにはいかない。

戦場は南下していったようだった。
通信が飛び交い、黒煙があちこちから噴出していた。
やがて南区にある自衛隊の基地を最後の防衛戦として陣を敷き、
壮絶な死闘を繰り広げている現場に到着した。

助太刀に入ったMG達が死屍累々と広がる、散々たる有様だった。
敵の弾薬は無限かと思えた。
今基地の上空で戦っているのは、
恨み連なるグフと、連邦のMGガンダムの∀&ストライクフリーダム。
∀がビームサーベルで応戦し、ストフリが合間に射撃を行う。見事なコンビネーションだ。
地上からも、連邦の量産機達が援護射撃を放っていた。
俺も、それに加わりグフに向かってビームライフルショーティを撃ち始める。
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援護を始めて漸く、グフの性能を改めて観察することができた。
まず、装甲にPS(フェイズシフト)機能を備えているらしく、実弾の効果がまるでない。
俺が先ほど海上でビームシザースのみ破壊されたのも、それだけが脅威に見えたと推測する。
その上、エネルギーが枯渇する様子もないことから、核動力であることも間違いないだろう。
ガトリングの弾もビーム製だ。なるほど、Iフィールド持ちの∀が未だ健在な理由もそれか。

俺が到着して、わずか3分。早くも戦況が動いた。
またしてもわずかな隙をつかれ、ストフリが堕とされた。
グフのガンパレルがストフリのドラグーンをひとつ残らず撃ち落とした上で、だ。

直後、本部から通信が入った。最後の手段の通達だと、すぐにわかった。

「月光蝶を発動せよ」

撤退の指示もないまま、最後のガンダムに指令が下った。
俺たちが戸惑う中、その髭のガンダムは躊躇うことなく両腕を広げた。

月光蝶。それは、その場に居合わせた全ての動力エネルギーを奪う兵器である。
つまり敵味方見境なく、行動不能に陥らせる。
プリズムの羽を展開させたそれは、瞬く間に、基地を沈黙化させた。

俺たちの機体も全てダウンする中、無傷を誇っていたグフがついに地上に落とされた。
多くの犠牲を払いながらも、やっと勝利に手がかかったのだ。

だが、俺はふと気づいた。自分のザクのエネルギー残量が、空になっていないことに。
おかしい。この距離で月光蝶を浴びれば、エネルギーは枯渇していなくてはならない。
と、いうことは。

まずい、と思ったが、どうにもならなかった。
勝利を確信した∀も地上に降りたち、
グフに悠々と歩み寄り、四肢を切断し無力化させようと、
ビームサーベルを振り上げた、その次の瞬間。

グフがヒートホーンで髭の股間のコックピットをうち貫いていた。

敗因は思えば明らかだった。Iフィールド持ちとはいえ、∀も損傷が激しく、
月光蝶の動作が不完全だったのだ。

ぐらりと髭の機体が傾き、どさりと雪の上に倒れるホワイトドール。
代わりに立ち上がるオレンジのグフ。核動力がもう再稼働したのか。早すぎる。
低スペック動力の俺たちはまだ動けずにいた。基地も依然沈静化したままだ。

グフはこちらが戦闘続行不可能と判るや否や、バーニアを点火し、再び大空へ。

動けないこちらを見下ろしながら、グフは進路を南へ。

(畜生、また無様に生き残っちまったのか・・・・・・!)
複雑に絡まった感情が怒りに集約し、俺はコンソールを殴りつけた。

その途端、モニターに意味のわからない文字が浮かんだ。
【擬似スーパーモード発動します】
直後、がくんと機体が震え、エンジンが息を吹き返した。
「なんだ、何が起きている?」
全く理解できないが、胸部のカラータイマーらしき部分がまぐまの如く真っ赤に点灯し、
機体が自由を取り戻した。それどころか、通常より遥かに出力が上がっている。
【怒りエネルギー感知によりサブジェネレーター始動。タイムリミットは20分です】

(・・・・・・こんな機能が? 聞いてないがともかくチャンスだ、これなら追える!)
俺は気合を入れ、翼をはためかせ、全速力でグフを追跡した。
「3度目の正直、今度こそ一騎打ちで仕留める!」

悪運よ、最後までもってくれ。

(最終回へ続く)
posted by 漢字中央警備システム at 17:34| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「白き鉄(かね)を鳴らして」 中編 byこくまろ 特殊更新

目が覚めるとはなんだろう。
まばゆい光が俺の正面にあった。
手を伸ばせば届きそうに思えた。
だが届かないだろう。なぜなら、俺は死んだのだから。

「おかえり、地獄という名の現世へ」

その低い声に、肩がびくりと震えた。
がばっと上体をあげて、瞬きをした。
目線を落とした。俺の両手がある。両足がある。身体がある。
俺は、生きている・・・。

「自分でも不思議なのだろうな。感謝しろ、己の悪運の強さに」

病室だった。俺は白いベッドにねかされていたのだ。
服も白衣に着替えさせられているが、深い傷はなさそうだ。

自分の無事を確認してから俺はゆっくりと右側に首を回す。
すると見慣れた連邦の制服を着た壮年の男が、
パイプ椅子に座ってにたにたと笑っていた。

「キサネ少佐・・・・・・」

キサネ・サレ少佐。
あの横浜基地のお偉いさんの一人だ。
奇抜な作戦を好む変人で有名だ。何より、腹が読めない。
ともあれ、少佐は笑みを止めると、手を脚の上に組んで言った。

「やはり君が適任だ。何しろ、私がこの部屋に立ち寄って、
三分も経たずに覚醒したのだから、運命と言わざるを得ない」

何を言っているのだろうか。俺は眉間に皺を寄せて不快感を顕にした。
「俺は、いえ、あれから何日、部隊は、ではなくて状況は」
「質問は整理してから発言したまえ」
口に出して始めて、俺は混乱の渦中にある自分に気づいた。
何から訊くべきか迷った。
しかし、何を訊いても、どうせ予想通りの答えが返ってくるだろうと、
諦念した自分もいた。それでも確認せねばならない。
言葉を紡げずにいた俺に、少佐は先に、丁寧に言う。

「君の居た小隊は君と副隊長を除き戦死。敵機は目標を発見できず逃走。
 これがあの夜の出来事の全てだ」

驚きが重なり襲う。
撤退命令を聞き、場を離れようとした味方も居たではないか。
それに、目標とは一体。

「みな腸が煮えくり返っているよ。何せおびき出したものの、罠の全滅という
最悪の結果で締めくくられてしまったのだからな」

俺は湧き上がる怒りを押さえ込み、わざとため息をついた。
「やはり奴を引き寄せたのはこちら側だったのですね」
「いかにも」

おくびにもださず少佐はうなづいた。
「博覧会の展示に、HG(ハイグレード)サテライトキャノンがあったのを知っているか?」
俺は記憶をたぐり寄せる。確かに、パンフレットに載っていたが・・・・・・。
「ええ、レプリカ品がクォートビルの広場に・・・・・・」
そこまで言って、漸く気づいた。
「・・・・・・本物だった、というわけですか」

しかし少佐は首を横に振った。
「まさか。偽りの情報を流しただけだ。本物は今も札幌基地に隠してある」
嘘実しやかな情報にも拘らず、奴はそれを奪いに来たと言うのか。
「奴は、あのグフは何者なんですか?」
「さてな。どこかのレジスタンスに所属しているかもしれないが、いつも一匹狼を
気取っている、正体不明の化物だ。奴は連邦の部隊を襲っては、高性能装備を奪い、
着実に力をつけている。今では君も知るとおり、MG(マスターグレード)に匹敵する
性能と類希なる操縦センスで我々を蹂躙している」

俺は天井を仰いだ。
敵の最終目的はわからない。
だが今の奴は、己を強化する、ただその為だけに、多くの俺の仲間を殺した。
ふざけていやがる。

「上層部は、奴の掃討にハイエンドのガンダムタイプMGを4機投入すると決定した」

俺は耳を疑い、顔を少佐に戻した。なんだって? 
「幾ら改造機であっても、相手はHG一機ですよ?」
「ああ、その通りだ。しかし、奴にスクラップにされたMGの数は目も当てられないほどだ。
 もし本物のHGサテライトキャノンが奪取されようものなら」

その言葉に、俺は一瞬気が遠くなるのを感じた。
あれ程のグフが、都市を割るとまで言われる破壊兵器を手に入れたら。

「一昨日、何者かが連邦のサーバーにハッキングをかけたらしい。上はブロックに成功したと
 公言しているが、間違いなくあれの隠し場所が知られたのだろう。故のガンダム投入だ。
 しかもご丁寧に札幌基地に配備させた。これでは情報が真だと裏打ちしているようなものだ」

少佐はくっくと笑った。俺も、肩を落としながらも口角を上げた。

「ですが、ガンダムタイプMGを4機も揃えれば、心配は無用でしょう」
「全くだ」
しかし少佐はそこで笑を止めた。肩が、僅かに震えているように見えた。
「大人気ない。誇りがない。美学もない」

少佐は右掌で顔を覆い、更に低い声でつぶやいた。
「ガンダムは英雄であるべきなのだ。
改造しただけの格下のHG機体を、数を揃えて叩こうなど、
プライドの欠片も見当たらない下品な行為だ」

違う。それは違う。勝たなければいけない戦いなのだ。
奪取されようものなら、これまでとは比較にならない被害がでる。なら、出し惜しみなど
していられるはずもない。誇りや美学で語ってはいけない問題なのだ。

・・・・・・それでも。頭ではそうわかっていても、俺にもわだかまりが残っていた。

「せめて一騎打ち、もしくはHG機で挑むべきです」
俺の小さなつぶやきに、少佐は即座に反応した。
「そうだ。MSとはロマンだ」
すっくと立ち上がり、少佐は俺を見下ろした。
「私は信じている。MGがHGに劣るはずがないと。一対一でも必ず勝てる相手だ」

それはどうだろうか。
奴の強さは尋常ではなかった。この国のガンダムタイプとエースパイロットでさえ、
あれをサシで討てるかは疑問だ。

「勝って見せてくれないか」

その少佐の言葉が、誰に言っているか、一瞬わからなかった。
だが、この病室には俺と少佐しか居ない。

「・・・・・・まさか少佐、俺にあれを討て、と?」

少佐はにやりと笑った。
「ガンダム乗りどもは十中八九、奴を侮る。
改造とはいえ量産機、スペック差は比較にならん。その上一機。
甘く見た連中が各個撃破されて敗北する可能性は、決して低くはない。
だが、君は奴の恐ろしさを知っている。怒りを覚えている。
敵討ちの義務がある。何より、五体満足で生き残った悪運がある」

「なら、副長の方が・・・・・・」
「彼は」少佐は冷たく言い放った。
「逃走中に背を撃たれて、戦意を喪失している。戦線復帰は絶望的だ」

俺は黙った。適任だというのか。この一介の兵士でしかない俺が。

「でも、俺はガンダムタイプの搭乗経験がありません。ザクでは・・・・・・
 奴に勝てません」

「それはどうかな。言ったはずだ、MSとは、ロマンだと」

少佐は俺に背を向けて、出口へ足を進めた。

「付いてこい。君をわざわざこの群馬県の病院に収容した訳をおしえてやる」

群馬県?
疑問を浮かべながらも、俺はサンダルを履いて、先に出て行った少佐を追った。

エレベータに乗り、地下へと向かう。

「此処は表向きただの附属病院だが、地下では廃棄されたMSの残骸が集められ、
日々研究が行われている」
「何故病院で?」
「病院なら襲われにくいという理由だろうが、詳しく知る必要はない」

エレベータは地下五階で止まった。ドアが開くと、オイルの匂いが充満していた。
そして傍にいたツナギの男に、少佐が一言告げる。すると彼は俺たちを誘導した。

「君のザクは大破していた。しかし、コックピット周辺は無事だった。
 だからゲンを担ぐ理由も含めて、その部分などは使わせて貰っている」

通路を進むと、分厚い隔壁に阻まれた。ツナギの男は、パスコードを入れてそれを開く。
俺の前を歩いていた少佐は悪戯ごとを思いついた子供のような顔で、言った。
「さて訊こうか。君はこいつで、ロマンを描いてくれるか?」

隔壁の先に存在した格納庫でそれは俺たちを、いや、俺を待っていた。
純白の翼を背負い、ジオン製の鎌を持ち、謎のカラータイマーを胸にし、それでも―ー

見覚えのあるツラのままの、ザクが。
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(後編につづく)
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「白き鉄(かね)を鳴らして」 前編 byこくまろ 特殊更新

20××年12月×日。わずかに雪が降る夜だった。
俺は連邦の部隊に所属しており、この日は催しのある横浜基地に
配置され、ザクUにて警備していた。
催し物といっても、各国要人の集まるサミットでも、新型機の発表でもない。
ただの博覧会に基地の一部を使っているだけなのだ。

それにも拘らず、規模が大きいというだけでガードにモビルスーツが駆り出された。
連邦の上の連中の懐にどれだけの金を差し入れたのかは知らないが、
MS見たさに集まる連中も多い。集客も兼ねさせているのは頭の悪い俺にもわかった。
見世物にされるだけなら別に構わない。俺自身が見られているわけではないし、
デモンストレーションを強要されているわけでもない。
棒立ちで良ければ好きなだけ見ていればいいさ。

しかし、日本の基地ではザクは珍しいらしく、意外と人が足元に集まった。
調子に乗ってポーズの一つでも取ろうとしゃがんだ途端、隊長機から
叱咤の声が飛んできた。まさか自分も見張られているとはな。
仕方なく、固定人形になる。サービス精神が泣いているぜ。

催しが順調にクライマックスを迎え、花火が打ち上げられた。
あっという間に式典も終わり、人々は帰路についていた。

一時間後には一般客も消え、スタッフによる撤収準備が始まった。
暇な時間を持て余し、操縦席でこっそりガムを噛んでいた、そのとき。
緊急の通信が俺の鼓動を跳ねさせた。

『緊急事態発生! 未確認飛行機体が高速で向かってきます!』

俺はため息をついた。もうすぐ仕事も終わるというのに。
そう愚痴りながらレーダーを見て、俺は眉をひそめた。

一機だ。しかもサイズはHG(ハイグレード)。
つまり俺たちMG(マスターグレード)サイズの三分の二ほどしかなく、
戦闘能力もMGより遥かに劣る。つまり、たとえ相手がガンダムタイプ
だったとしても、こちらは一個小隊。恐るるに足らない。

それにしても目的に見当がつかない。
催しも終わったこんな深夜に何の用だ。

『未確認機、通信不能! 敵機と断定、迎撃願います!』

その機体は太平洋を北上してきている。こちらは陸上型だから、
基地の端で待ち構えるしかない。
そう思ったとき、隊長から連絡が入る。

「カンシス1より各機へ。未確認機が射程に入り次第撃ち落とせ。
威嚇及び捕獲は不要だ」

・・・・・・相手の素性や目的もわからないのに撃墜しろだと?
俺は舌打ちして頭を掻いた。
どうやら、上層部か隊長は相手を知っているようだ。
厄介な事にならなければいいが・・・・・・。

配置につくと、既に敵機は目視出来る距離に迫っていた。
基地の強烈な明かりがやがてその機体を照らし始める。

上半身が鮮やかなオレンジ色をしていた。
ガンダムタイプじゃない。
あれは・・・・・・グフか?

と、思ったそのとき、隊長が叫んでいた。
「来るぞ!」

右隣でマシンガンを構えていた僚機が消えた。
鉄がひしゃげる音が遅れて聞こえた。
何だ、とそちらをみれば、僚機の頭部がなくなっていた。

そんな馬鹿な。俺は敵機に視線を戻した。
敵が射撃武装を構えた様子はない。
「準サイコミュ兵器だ! 弾幕を張れ!」
更に隊長が声を上げる。俺たちは一斉にマシンガンを撃った。
隊長はマシンガンを懸架し、バズーカを放った。

しかし、敵機はそれらを華麗と賞賛したくなるほどのステップで
交わし、あっという間に距離を詰めてきた。
その上、右手に装備したガトリングシールドが俺たちを襲う。

一体、また一体と味方が倒される。
不条理、という言葉が脳裏に浮かぶ。
闇夜に小型で高機動。それにパイロットの腕を加算すると、
HGの一機がMGの集団を潰せるというのか。
まるでサーカスのようなショーだ。いいやインチキだ。
そんな真似ができるのはガンダムタイプぐらいなものだ。

「接近武装用意! 格闘武器に切り替えろ!」
悪夢はとうとう基地に足をつけた。
漸く全身が露見した奴は、上半身こそオレンジのグフイグナイテッドだが、
脚は黒とグレーで塗装されたフライトタイプだった。
それにより、重装備と高機動を同時にもたらせているのだ。
おそらく、動力やフレームにも改造が施されているに違いない。

俺たちがヒートホークに持ち変える中、耳を劈く破砕音が背後から聞こえた。

何だ、と振り返らずカメラに後ろをうつしてみれば、
とある基地ビルの一角に巨大な鉄球が突き刺さっていた。

「ちっ・・・・・・やっこさん、どうやら目的は」

ぶつっ・・・・・・。

隊長からの通信が突然遮断した。
はっとしてみれば、隊長の機体が、敵機のグフの正面に立っていた。
違う。
グフが隊長に強襲をかけたのだ。
そして、そのコックピット部分に、右手のパイルバンカーを突き刺して。
ドン!ドン!ドン!
3連続でバンカーガンから弾が放たれる音がして、その都度隊長の機体が
上下に揺れた。その後、ぐったりとした隊長のザクを、
グフは振り払うように投げ捨てた。
隊長機は無残に転がり、黒煙を上げながら稼働を停止した。

強い・・・・・・。生半可な相手じゃない。
スペックが違いすぎる。
俺も仲間も、暫し攻撃を忘れ、敵を眺めてしまった。

すると、
敵のモノアイが、ゆるりとこちらを向いた。
ぎくりとして、咄嗟に俺はヒートホークを投げ、その直後マシンガンを構えた。
グフは上体を逸らしただけでヒートホークを避けたあと、
オレンジ色のシールドを構えて俺の弾を防いだ。

撃つ。とにかく撃った。
その間、味方機からの通信が入る。
「カンシス2から各機へ! 本部より撤退命令が入った! 
 カンシス5、攻撃を中止しろ!」
その声は副隊長のものだ。すぐさま残った4機の味方達が離れ始める。

それでも俺は射撃を止めなかった。止められなかった。
止めたらやられる。背を向けたら死ぬ。確定事項だ。
逆に、俺が此処で奴を足止めしておけば、他の連中は助かる。
そう思っていた。

俺が仲間を守っている。
そう思った。思っていた。だが、俺が撃ち、敵がシールドで
防いでいる間、何故か、味方の信号が一つ、また一つと消えた。

しまった、と俺は狼狽した。
敵の装備に準サイコミュ兵器があるのを失念していた。
背負っているガンパレルだ。
グフはシールドで俺の攻撃を防御しながら、前方位に攻撃できるのだ。
敵のパイロットの空間把握能力の高さに唖然とした。
あっけにとられたとき、運悪く、マシンガンの弾が尽きた。

俺の隙は、ほんの僅かだった。
その僅かな時間に、俺は背後から鉄球をもらった。
鉄球はワイヤーでつながれていたのだ。ビルに刺さった鉄球を
引っ張るだけで、俺はいともたやすく右足をもっていかれた。

俺のザクは無様に転倒した。衝撃に苦しみながらも前をみれば、
グフは死神のような冷たいモノアイとガトリングの銃口を向けた。

「や、やめろ、やめてくれ・・・・・・」
20130916_005156.jpg

ガトリングの雨が、俺のザクを砕いていった。

そして、俺の意識も、闇に消えた。

(中編につづく)
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2009年12月09日

冬コミ、深海サイド新刊予告。(深海)

どうも、neuさまから「独善的」という烙印を押されてしまいました深海でございます。しかし善意の押しつけなんざしないよ!

さて。深海さん、今回無料誌作ってみます。
挿絵とかはまだ決まっていないのですが、ともあれ。
タイトルどーん!
「ゴテキューちゃん プレリュード」
……まんまとか言わないでください。
次回夏コミ(受かっていたら)に、完全版を出せたら出す予定。

さて。あらすじどーん!
ジャンルは「特撮系ヒロインバトル」モノ。

御殿場久美は、放課後の寄り道が好きな一見普通の小学生である。
しかしその実態は! 突如世界に現れ、世間を脅かす化け物「meat」達を殲滅する部隊に所属するハーフヴァンパイア。コードネームは「ゴテキューちゃん」である。
今日も平和が打ち破られた。
さあ、行けゴテキューちゃん! 表参道に現れたmeat第1形態2体を、サポートアンドロイド「ぱんだりん」、殲滅部隊所属学生アルバイター「多古」と共に殲滅せよ!

ってな感じです。無料ですが、あんまり印刷しないので早い者勝ちかと。

さぁて、どうなる! ってか、誰かこの本貰ってね!
posted by 漢字中央警備システム at 17:52| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月04日

次回作予告 byこくまろ

『人類の未来に、ハーフヴァンパイアは必要有りません』

新人類と旧人類は、対立することはなかった。
何故なら、「化け物」と呼ばれる共通の敵が存在したからである。
よって化け物らが退治され激減したとき、その均衡が崩れ始めた。

だが、その前に。
世界統一新人機構委員会は手を打つ。

人類には、まだ脅威が残っている。
人外なる者が、人に紛れてのうのうと暮らしている、と。

『我々は、『ゴテキューちゃん』を、排除すると宣言します』

世界が震撼した。
ゴテキューちゃんが新人類に手をかけている映像が、テレビに流れたのだ。
「嘘だよ! こんなの……わたし、やってないよ!」

次第に人々は疑惑から、忌諱へと心を塗り替えてゆく。
「人間どもめ、ゴテキューちゃんに護られた恩も忘れたか!?」

世界中の街中を、デモが行進する。
『No Gote Q!!
No Gote Q!!
No Gote Q!!』

そしてついに、ユニバーサルコミッショナーが動き出す。
「博士、頼んでいた武器、出来たッスか?」
「多古あなた……グラディウス相手を、たった一人で足止めする気なの?」
「足止め? あの脳みそ蛆湧いた連中には、お灸を据える必要があるッスよ。
 返り討ちにするッス。たとえ……刺し違えてでも」

委員会に直接掛け合う博士。しかし逆に捕まり、監禁される。
「統一委員会の中に首謀者が居ない……じゃあ、一体誰の仕業なの……!?」

ニューセラーチェを取り囲む『反ゴテキュー』の文字。
「おばあさん。ゴテキューちゃんは、間違っていたのですか?」
「それは……あなたが一番良く知っているはずよ、ぱんだりん」

ゴテキューを庇う声、それは瞬く間に掻き消されてゆく。
狭まる包囲網。護ってきた者達が剥く牙。

犯人探しに奔走する仲間達。しかし、それすらも罠。
「ゴテっち、聞こえるか!? 奴らの目的は、あんたの……」
「どうやら策略に嵌ったようです。私達の戦力は完全に分断されておりますね」
「ゴテキューちゃん、皆騙されているの。あなたが居なくなっても、何も変らないわ」

孤立するゴテキュー。
ついに、彼女は結論に辿り着く。

「わたしは、みんなが好きでした。
 わたしは、みんなを護りたくて戦いました。
 全ては、みんなの為に。みんなの為なら、命だって惜しくなかった。
 だから、みんなが望むのなら。
 ……望むのなら、わたしは、わたしを……『浄化』しますっ……!!」


『ゴテキューちゃん特別編U Answer of Newgeneration』

2010年秋。
ゴテキューちゃんの居ない朝が、来る。

「どうか、世界中のみんなが、ずっとずっと幸せでありますように……」
posted by 漢字中央警備システム at 09:02| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月24日

エスキモー女の○○は冷凍○○

 どうも、みなさんこんばんは。
 火曜日担当の小津野 真帆です。おまえによーし 俺によーし


 そんなわけで、最近は好きな人と上手くいっていなかったり、引越しの準備が大変だったり、色々そんな感じです。あうあ。

 
 片手間にグスタフ・ハスフォードのPhantom Blooperという小説を、翻訳しながら読んでいるのですが、これが面白い。
 ShitでFuckな俗っぽいメリケン語が好きなこともありますし、一人称視点の物語なのでサクサク読めます。

 何故、これを読もうと思ったかと言うと、実は映画「フルメタルジャケット」の続編がこの小説なのです。
 正確には映画の原作小説Short Timers(短期除隊兵)の続編で、映画版はかなりのアレンジが加えられております。
 例えば映画だとハートマン軍曹のシゴキ、狙撃兵の女の子との戦闘という二部構成ですが、小説ではジャングルで再び狙撃兵と戦います。
 そこでカウボーイやニューガイ、ドクにアリスといった映画で戦死するメンバーが次々と殺され、最後はジョーカーが死にかけのカウボーイを射殺して、狙撃兵の前から撤退する所で終わります。
 
 この小説の面白い所は、やはり一人称視点でベトナム戦争をありのままに描いていることでしょうね。政治的なベトナム戦争の是非は置いておいて、現地にいる兵隊の気持ちを描いている所が面白くて怖いわけで。
 作者はベトナム従軍経験がありますし、説得力も一杯です。
 ミッ○ーマウスの歌を歌いながらネズミを殺したり、新兵をピンを抜いた手榴弾を握らせてブン殴っていじめたり、爆死したウィンズロウ中尉(味方)の死体を食べたり。
 
 Phantom Blooperでは狙撃兵との戦いの後、ベトコンの捕虜になった後で収容所から脱走、日本の精神病院に搬送されて退役したジョーカーの「心の旅」が描かれています。
 戦死したカウボーイの家族に会いに行き、反戦活動をしていたドンロン無線兵と会ったり……その後で彼はアメリカと戦争に対して、ある考えを抱くのですが、これはネタバレと言うことで。
 
 とてもとても面白い小説ですし、優しい(一部卑猥な)英語で描かれているので、ぜひ読んでみてくださいませ。


posted by 漢字中央警備システム at 23:30| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月31日

○空(ゴーフレット)

あらすじ

主人公・風の風助は、風を操ることのできる忍空であること以外は普通の女子高生であった。ある日、鉱の林慶にPHSの番号を知られたことがきっかけで偶然炎の赤雷と知り合って付き合うことになる。
赤雷は、始めは本気ではなかったが、次第に本気になっていく。大地の橙次と氷の黄純のカップルとダブルデートをしたり、一緒に授業をサボったりして高校生活を楽しんでいた。そんな中、風助はある日赤雷との子供をみごもった。2人は子供を出産する事を決めたが、赤雷の元恋人(植物の緑里)に強く押されて転び風助は流産する。2人は大きなショックを受けるがまた強い絆で結ばれていく。
ところがある日、赤雷は風助に突然の別れを告げる。2人はそれぞれ別の人と付き合うが、後に風助は、赤雷が末期のガンであり、“風助には幸せになってほしい”という願いから、別れを選んだのだと知って、大好きな今の彼と別れ赤雷の元へ走る。赤雷は、適切な抗がん剤治療の甲斐もあり、髪の毛が抜ける程度の副作用で奇跡的に3年も生きながらえるが、別れの時が来るのを食い止めることは出来なかった。彼の死後、風助は生殖能力が皆無だったはずの彼の子供をみごもっている事を知り、今度こそ産み、彼の分まで育てることを決心する。



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2008年07月08日

出展作品予告(豹極)

at-the-station.JPG










タッチの差で日付が変わってしまった、無念。

そういえば俺はナニコレ用の作品について依然コメントを
控えめにしていたので、ちょっとイメージ画なんて物を
書いてみました。


作品自体は腐食列島・走馬灯8とダーク替え歌2作品を
提出しました。
このイメージ画は走馬灯のとある一場面をイラスト化
してみた所、こんな感じになってしまった訳です。

何となく懐かしいような、それでいて旬な話題な感じが
すると思った方はお目が高い!
あのネタを元にした嘘ニュースが織り込まれています。
しかし何故か舞台は駅中です。

ほ〜ら、鞭の音と、テーマソングが聞こえてきた(笑)
posted by 漢字中央警備システム at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月19日

進捗状況(豹極)

みなさんの進捗状況に触発されたので、
俺も出来具合を公開しようかと思います。

まず、ダーク替え歌が1つ完成しました。
最終巻に相応しいかどうかは微妙ですが、
基本を見つめ直して、元の歌詞に近い響きの
言葉に置き換えた感じの作品になっています。
この時点で、実はもう1つ作っていた替え歌が
ボツになっていたりする(笑)

腐食列島走馬灯はダーク替え歌の完成を
優先したため、40%くらいの完成度です。
ネタの中には、これまで俺が更新したブログの
文章中にそれを仄めかすような記事もあったり
なかったりします。


今の所、こんな感じです。

腐食列島走馬灯はもう少し熟成して粘り気を
出しておきたい所です。出来たら悪臭を放つ
くらいまで熟成させてお出ししたい
所存であります。
posted by 漢字中央警備システム at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月06日

時には真面目にサンリオについて語ってみるか(その気まぐれさにお前がナイた)

サンリオのキャラクターに「みんなのター坊(タァ坊?)」っていたじゃないですか。
最近小耳にはさんだ話では、あの造形が「差別表現にあたる」とかいう理由で表舞台から消えたらしいですね。
ただ、本当にそれが、ター坊の消えた理由かということを考えると、それだけではない気がするんです。
ター坊にまつわる怪談ってのが、俺が小学生の頃にあったんですよ。
ター坊って指が五本書かれてることがあんまりないじゃないですか。
むしろ、五本書かれることはほとんどない。
それには理由があって、その話を聞いた人は夢の中でター坊に指をあげないと死ぬ
って内容の怪談なんですね。
まあ、不幸の手紙の亜種とでもいったところでしょうか。
ですが当時、マジでそれが怖かったんですよ。
俺はもともと夢を見ないタイプなんで、ター坊が出てくる夢どころか、夢自体見る確率が低い。
もう、小学生ごころには、それは不安なものですよ。
ター坊を見るたび、生きた心地がしませんでしたね。
もっとも、日々、学校のカリキュラムに追われている小学生が、四六時中ター坊のことを念頭に暮らせるはずがありません。
しばらくすると、ター坊の話などすっかり忘れてしまっていました。
そんなあ
posted by 漢字中央警備システム at 02:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月01日

恋のルンガ沖砲撃戦

 どうも、おひさしぶりです。
 火曜日担当の小津野 真帆です。コンニチワ。

 えっと、この二週間は愛用していたパソコン(マギーちゃん)が壊れたので、日記が書けませんでした。ごめんなさい。

 とりあえず今は、新しいパソコン(エイダ)から書いてますです。


 あれですね。エイプリルフールですね。

 さきほど円谷プロのサイトに飛んだら、ウルトラマンが2ちゃん用語で議論する謎ブログになってました。

 ウルトラマングレートに至ってはホモキャラですし。 アファリエイトの品物にも「ザ・ウルトラマンのDVDボックス」とか、発言しているウルトラマンの中にウルトラマンスコットやチャック、ウーマン・ベスといった、円谷的には「なかったことにしたい」と思う黒歴史なウルトラマンも。
 ……マニアック過ぎます!

 さて。

 今回は日曜日の特撮(戦隊・ライダー)が自分の中でダメ気味です。
 いつもは新しいデザインや名前が発表されますと「これはちょっと」という感じでしたが、実際に見てみると面白くて(仮面ライダー響鬼やマジレンジャーがそうでしたね。)……という具合だったのに、今年はそうならないのです。
 ゴーオンジャーはデザインが子供向け過ぎて、お話も「子供だまし」を通り越して、子供でもつまらないと思います。事実、先日ミニプラのエンジンオー(ゴーオンジャーのロボットです)なんかを買いにスーパーのお菓子売り場に行きますと、子供が「これ、かっこ悪いからいらない」とエンジンオーより仮面ライダーキバのオモチャを買っておりました。あまり評判もよろしくないみたいで、前回のゲキトージャのオモチャの時も同じような場面に出くわしたことがあります。
 まあ、子供にとっては貴重で高価な300円で、めんどくさい組み立てを経た後で手に入るのが上半身だけとか、下半身だけの合体ロボより、買ってすぐに遊べる仮面ライダーキバのオモチャの方が子供は喜ぶかもしれませんけどね。
 かくいうキバはなんていうか、デザインがスポーンみたいで好きなんですけど、お話の方が「もう仮面ライダーじゃない」という感じです。
 響鬼もそうなんですけど、これは「キバ」という石ノ森作品として見るのが正しいような気がします。
 設定とかを見る限りだと、ダークな感じがするので大人向けのOVAドラマで展開したらいいかも〜と思うのですが、真・仮面ライダーの例があるのでダメっぽいですね。

 ともかく、今年は就職活動や教育実習で忙しいので、あまり魅力的な戦隊ヒーローやライダーだとますます忙しくなりそうなので、これくらいで自分には丁度いいような気がしました。ゆるゆる〜と楽しんで、最終回を迎える頃には色々と決まっているといいな、という具合です。
 



posted by 漢字中央警備システム at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月30日

インクの上出来

インクにも出来の良いモノと悪いモノがあるみた〜い。

以下、かなり適当な二次創作。

刹那「俺がガンダムだ」
アリー「いやいや、俺がガンダムだ」
グラハム「じゃあ、俺が……」
刹那・アリー「どうぞどうぞ」
グラハム「こらっ!」
posted by 漢字中央警備システム at 22:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする